「まずは基礎を固める」は正しいか
1. はじめに
「まずは基礎を固めましょう」
というのは、勉強でよくあるアドバイスです。
それは確かにその通りです。
ただし、「まずは基礎を固める」で成果を出すためには、かなりの計画性と実行力が必要です。
ただ基礎問題を解き直しているだけでは、なかなか成績にはつながりません。
今回は、「まずは基礎を固める」の難しさと危険性について解説します。
2. 初めから基礎をやり直していては、今の勉強に追いつけない
例えば、現中2で、中1英語の基礎が理解できていないケースを考えます。
be動詞、一般動詞、三単現、疑問文、否定文などがあいまいな状態です。
もちろん、中1内容の復習は必要です。
しかし、ここで中1英語を最初からじっくりやり直していると、その間にも中2の授業は進んでいきます。
中1の復習をしている間に、中2では不定詞、動名詞、助動詞、比較など、次の単元に進んでいきます。
その結果、基礎をやり直しているのに、いつまでも今の勉強に追いつけないということが起こります。
これが「まずは基礎を固める」の難しいところです。
基礎だけを長い期間やり続けていると、今の授業内容や次のテスト範囲に追いつけず、いつまでも点数として成果が見えないということになります。
3. 「できること」を何度もやらなくていい
「基礎固め」が大事だからといって、できる問題を何度も繰り返すことも、あまり成果には結びつきません。
例えば、すでにできる計算問題を何度も解く必要はありません。
勉強では、できないことに時間を使うべきです。
もちろん、最低限の反復練習は必要です。
しかし、できる問題を繰り返しているだけでは、学力はあまり伸びません。
本当に伸びるのは、少し難しい問題に取り組み、手が止まり、考え方を修正している時間です。
基礎問題をやること自体が悪いわけではありません。
ただし、それが「できることを確認しているだけの時間」になっているなら、勉強のやり方を変える必要があります。
4. 「出る問題を厳選して教える」の限界
塾のPRでは、
「出る問題を厳選して教えます」
という言葉をときどき見ます。
もちろん、テストに出やすい問題を知ることは大切です。
しかし、出る問題だけを厳選して、それだけを練習する指導には限界があります。
似た問題が出れば解ける。
でも、少し形が変わると解けない。
少しパターンが変わると、何をすればよいか分からない。
それでは、本当に力がついたとは言えません。
入試でも定期テストでも、すべての問題が見たことのある形で出るわけではありません。
大切なのは、出る問題を覚えることではなく、持っている知識を使って考える練習をすることです。
5. 基礎は「短期集中」と「並行して定着」が重要
基礎を固める方法は、大きく2つあります。
1つ目は、短期集中で一気に仕上げることです。
苦手な単元がはっきりしているなら、そこを集中的に戻ります。
中1英語が弱いなら、1か月なら1か月と期間を決めて、一気に取り戻します。
集中して勉強すれば、中1の1科目だけなら1か月でかなり復習できます。
大事なのは、範囲と期間を決めて、短期集中で取り戻すことです。
2つ目は、今の学習内容や応用問題と並行して定着させることです。
基礎固めをしつつも、今学校で勉強している内容も並行して進めます。
基礎固めのために、今の勉強を止めてはいけません。
とにかく、学校の授業についていけるように、進みを止めないことが大事です。
初めは分からないところも多いかもしれません。
しかし、どこかのタイミングで、基礎として学んだことと今の学習内容がつながり、視界が開けることがあります。
基礎は使いながら定着させるものです。
6. 当塾での取り組み
RAN進学塾の一斉授業では、一度勉強した単元を、同じ内容のまま復習として扱うことは基本的にありません。
夏期講習でも、夏休み明けの予習と、定期テスト・入試形式の実戦演習を中心に進めます。
定期テスト形式や入試形式の実戦演習に取り組むこと自体が、これまでの復習になるからです。
また、「基礎固め」として一学期の内容をやり直すだけでは、二学期以降の学習やテストに直結しにくいです。
もちろん、基礎が大きく抜けている場合は戻る必要があります。
その場合は、必要な部分を短期集中で取り戻します。
ただし、ある程度基礎ができているなら、予習と実戦演習に時間を使う方が2学期以降の成果につながりやすいです。
基礎を固めることは大切ですが、基礎は入口であって、ゴールではありません。
予習と実戦演習を勉強の中心に、必要な基礎は集中して固める
RAN進学塾では、この流れを大切にしています。

